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ストレッサーについて
今年のGWも昨年と同様、「我慢」を強いられました。「せっかくのお休みなのに…」とストレスを感じた方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。ストレス発散の1つに、「そのこと(ストレス)を知る」ことが挙げられます。せっかくの機会ですから、ストレスについて学びを深めていきましょう!
本日は、ストレスの要因についてお話をしていきたいと思います。ストレス要因は大きく分けると、
・仕事でのストレス
・仕事以外でのストレス
の2つに分けることができます。
まずは、仕事でのストレスについてです。こちらは、厚生労働省が下記のものを挙げています。
・事故や災害の体験
・仕事の失敗、過重な責任の発生等
・仕事の量・質
・役割・地位の変化等
・対人関係
・セクシュアルハラスメント
【厚生労働省「心理的負荷による精神障害の認定基準」より抜粋】
いずれも想像するだけで、ストレスになりそうなものばかりです。4つ目に挙げられている、役割・地位の変化等には昇進も含まれます。昇進と聞くと、ポジティブなイメージがありますが、昇進することで責任感やプレッシャーも増すわけですから、ストレス要因に大いになりえますね。では、次に仕事以外でのストレスを見ていきましょう。
・個人生活におけるストレス
・(個人生活から派生するものを除く)さまざまなトラブル
大別すると、上記に挙げた2つになると思います。もう少し細かく見ていきますと、個人生活におけるストレスとして、社会的再適応評価尺度というものがあります。
(Holmes, T. H., and Rahe, R. H. Schedule of Recent Experiences. Seattle: School of Medicine, Univ. of Washington, 1967.より引用)
これは、ワシントン大学のHolmes,T.H.らが1967年に作成した、ライフイベントとストレスの関係を示した尺度になります。表1をみていただくと、「結婚 50」と書かれてありますが、これを基準にしてライフイベントとストレスの値を考えていったそうです。ライフイベントを見ていただくと、さまざまなことがストレスになり得る、ということがわかるのではないでしょうか。他にも、個人生活におけるストレスとして、Daily hassle(Lazarus & Cohen, 1977)という概念があります。これは、「日常の些細な出来事」と訳され、普段から経験する些細な出来事がストレッサーになり得るとするものです。つまり、日常のありとあらゆるものがストレッサーになる可能性を秘めている、と言えるでしょう。
次に、(個人生活から派生するものを除く)さまざまなトラブルについても見ていきましょう。これは、「社会構造が複雑化することによって生じた」と言い換えることができます。今、私たちが体験している「コロナ禍」はまさに、ストレスと言えるでしょう。
以上、ストレッサーについて見てきました。ストレス対処をする上で、重要なことはまず、敵を知る(ストレスを知る)ことです。敵を知ることで初めて、その対応を検討することができるのではないでしょうか。次回はストレス反応について見ていきたいと思います。
