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36協定と労働基準法
最終更新: 2019年6月30日
36協定をご存知ですか?
正式には「時間外・休日労働に関する協定届」と呼ばれます。
東京労働局のwebからそのまま説明をお借りすると「法定の労働時間を超えて労働(法定時間外労働)させる場合、または、法定の休日に労働(法定休日労働)させる場合には、あらかじめ労使で書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要です。この協定のことを労働基準法第36条に規定されていることから、通称「36協定」といいます。」とされています。要するに「法定労働時間を超えて従業員を働かせるときは、雇用主と従業員で話し合って、どういう場合にどの程度働くかをあらかじめ決めましょうね、それで決めたことは書面にして労基に提出してくださいね」ということで、その提出する書面を36協定と呼んでいるのです。
36協定は従業員のいる全ての企業に届け出の義務があります(従業員が1名でもです)。また、ここに定められている法定労働時間とは原則として一日8時間で週に40時間をさします。これを超えて時間外労働させる場合には36協定の届出が必要です。例えば、9時から17時の8時間が就労時間の場合に、18時まで勤務させる場合(なおかつ週の労働時間が40時間を超える場合)などです。この協定では、1日、1ヶ月、1年単位で法定労働時間外の労働時間を規定しています。例えば1週間と1ヶ月の法定労働時間外の労働時間はそれぞれ原則15時間までと原則45時間までとされています。
ただし、例外はあります。繁忙期などで止むを得ず月の時間外労働が45時間を超えるような場合を記載する欄が36協定にはあります(特別条項)。ただし、この例外も6ヶ月以内とされています。まとめると、
1. 36協定は全ての企業が提出しなければならない
2. 時間外労働の原則は定められている
3. 原則を超える場合の例外も6ヶ月以内と定められている
ということになります。
この3つはどれに違反しても労働基準法違反となってしまいます。具体的には、1に関して、全ての法人は従業員(の代表)と協議して36協定を結び、それを従業員に周知しなければなりません。例えば、雇用主が一方的に36協定を定めたり、それを全従業員に周知していなかったりしたら、それは労働基準法にそわなくなります。また、2に関しては特別な条項を36協定で定めなければなりません。例えば、繁忙期、クレーム処理が多い月、機械トラブルへの対応などです。このような特別な事情がなく時間外労働の原則を上回って労働させると、これも労働基準法違反となります。3に関しても同様です。年のうち7ヶ月以上で特別条項を認めることはできません。
2019年4月からの新しい労働基準法で、単月の時間外労働が100時間、複数月の平均が80を超えると労働基準法違反となっています(これまでは厚生労働省の告示で時間外労働の上限が決められていました)。働き方改革のもと、時間外労働の上限が法的基準にまで厳格化されたのです。これに違反すると6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
企業と従業員の健康を守るため、労働基準法の遵守を徹底しましょう。